Nigorobuna’s blog

普段の講義や本を読んだり人と話したりしたことについて

他者の気持ちがわかること

 他者の気持ちがわかることについてヤスパース的な「了解」ではなく相手の感情が感染、伝播してくることによってわかるのだと教わった。

 間主観性のなせる業ということだろう。共感するとは相手の言葉の文脈を自分に当てはめてみる能力だけに依らず我々が普遍にもつもので可能になっているということか。どの民族であってもつまりどのような歴史的、社会的な背景を持つ人々であっても笑顔というものは似ているのは不思議だがこういうもののおかげなのだろうか。

 最初のことに似た話がたまたま手元にある論文にも書いてあった。ここでも精神分析が顔を見せていてこの学問の豊かさを感じる。ちなみに「了解」ではなく「解釈」となっている。(斎藤環先生)

 さて精神疾患の軽症化について論文が載っているものを見つけたのだが、(勉強不足故知らなかったが精神疾患はどうやら軽症化しているらしい)精神疾患(うつ、統合失調症など)そのものが社会の影響を強く受けるという主張が多い。もちろん早期受診のおかげにすぎないのでは?薬の発展が原因では?見かけだけでは?というのもある。エディプスコンプレックスは不変不滅でないという主張もこういう論文を見るとああなるほどと思ってしまう。それとどの専門家も軽症化したからヨシ!という態度ではないというのは共通していた。