Nigorobuna’s blog

普段の講義や本を読んだり人と話したりしたことについて

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

自由を標榜する

当学で精神障害者に対する差別発言を行い、その上で「自由」を謳う大学だから問題ないと豪語した新入生がいるようだが非常に残念だ。思想は何を持っても構わないがそれを口に出すことに関して躊躇いを持たないのは恐ろしい。言葉を口にする時は誰かにそれが…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 読了

精神病と神経症の鑑別診断が実に様々な観点からアプローチされてきたのだということ。そしてそれは現代の精神医学の診断方法とは全く異なっている。ラカンの思想がエディプスコンプレックスから段々と離れていくことは聞いていたがその過程が読み直すことで…

シニフィアンをシニフィエで割る!?

「知」の欺瞞という本において批判されたラカンが行った割り算 S/s=s にS=-1を代入するとsが虚数になる これについてですが、常識的に考えてシニフィアン(S)をシニフィエ(s)で割ることは出来ないのである種のたとえ話であるのは理解してもらえると思う。…

チャットアプリを使ってみた! と なぜ文学部に来たのか?

チャットアプリを入れてみると「有名大学に入りたい」みたいなところがあったのでやってみた。 なんと自分の通っている大学がその少年の第一志望らしい(笑) 偶然にもほどがあるがこういうネットチャットの醍醐味だろう。少年は高校受験で失敗したのでその…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 3日目

昨日に引き続き読み進め50年代のラカンのところが終わった時点で「なるほどなるほど」と調子良く読んでいただけにそういえば対象aや享楽といった単語がまだそんなに出て来てなかったことにはっとさせられた。60,70年代がまだだった。エディプスコンプ…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 2日目?

はい。一日空いた気がしますがそれは思い過ごしです。エディプスコンプレックスの章の手前に来ました。相変わらず感想を書けと言われても困る内容。「現実界」の用語理解が深まったかも? てかこの本も多少は現代思想をかじってないとしんどいと思う。いきな…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 1日目

『現代思想入門』(千葉雅也)でも新世代のラカン研究者として出てきた松本先生の本を読み直します。大学に入ってすぐこの本を買ったのですが、「構造主義って何だっけ?」「精神分析ってフロイト?」「ラカン?聞いたことはあるけど誰だろう?」といった具…

「個」の時代と自分探し その3

ボランティア活動をしても一人旅をしても、何気ない日常の中で「自分はこのままでいいのではないか?」なんて考えたとしてもそれが自分探しと呼ばれるとは限らない。自分探しはあくまでも「本当の自分」を見つけ出すことが重要視される。ここで前回述べた自…

「個」の時代と自分探し その2

自分探しの定義は前回の冒頭で述べたものでは考察しにくい上に不明瞭。よって改めて定義しなおしていく。 1:自分探しとは「本当の自分を見つける」ものと「自分の新しい能力の発見、その向上を目指す」ものに大別される 2:前者の自分探しの方法はボラン…

「個」の時代と自分探し その1

はじめに 自分探しの定義「それまでの自分の生き方、居場所を脱出して新しい自分の生き方、居場所を求めること(デジタル大辞泉)」「アイデンティティの確立や自己実現のための取り組みを意味する語…(実用日本語表現辞典)」weblioより 現代では以下のこと…