Nigorobuna’s blog

普段の講義や本を読んだり人と話したりしたことについて

花瓶、鏡

鏡像段階についてのラカンの図の説明を試みる。 主体は全身を観測できないので斜線が引かれる。しかし鏡である他者を用いることで自身を見ることが出来る。しかしこの像は他者の承認を得てはいない。 手前にある花々は目、鼻、口、手、足を意味している。(…

大学での神話論

『エヌマエリシュ』を読んだ。わけわからん話だった。おもしろいか?これ 聖書は最近よく参照するがさすがにすべては読めていないです。 聖書の解釈は宗教によってもその時代によっても変わってくる。その解釈を見ているとその時代で彼らにとって何が問題と…

二つの原則と奇跡

快感原則と現実原則を簡単に述べると 『精神分析入門』(フロイト)から 快感原則は刺激をなくすことを目標とするが、それはシニフィアンのシステムそのものでありいくつもの書き換えを経る。刺激即反応にならないのが人間の宿命である。 現実原則はこれは自…

ヘーゲル 講義まとめ

100分で名著は今月は『精神現象学』でした。見ましたか?日常でみんなが感じることは全てヘーゲルに書いてあると先生が言っていました。難しい本ですが頑張って読みたいですね。あとその番組の講師は斎藤さん。そういうわけで『ぼくはウーバーで捻挫し、…

カント 講義まとめ

久しぶりの投稿になります 講義のまとめ カントは超越論的観念論を唱えた啓蒙主義者であるので、「啓蒙主義」と「超越論的観念論」のこの2つと「神と道徳」の以上3つについて説明をまとめる。 第一に「啓蒙主義」である。その前にカントは西欧哲学の機能主…

ユダヤ教と聖書

高校生の時、聖書について「新約聖書」と「旧約聖書」について世界史の授業で習った人は多いと思います。ところでこの”約”という漢字ですがこれは神との契約を意味しています。 このことは知っていたのですが最近レポートを作るのにあたって本を読んでいると…

学ぶときに大切にしていること

大学でものを学ぶときに大切だと感じたもの。それは興味である。これ以上に重要なものはない。興味は授業を聞く姿勢と自主的な学びの向上につながる。逆にこれがないものを専門にするとやっていけない。 よく解説書、入門書ばかり読んでいてはダメだ、原典で…

他者の気持ちがわかること

他者の気持ちがわかることについてヤスパース的な「了解」ではなく相手の感情が感染、伝播してくることによってわかるのだと教わった。 間主観性のなせる業ということだろう。共感するとは相手の言葉の文脈を自分に当てはめてみる能力だけに依らず我々が普遍…

哲学史と哲学

哲学の授業と哲学史がごちゃ混ぜになっている気がする。哲学史を聞いて哲学をやりたい、本をもっと読みたいと思う人はいないと思う。はっきり言ってつまらない。哲学は思想の新鮮さとその視野、考え方が広がった感動こそ伝えなければやる意味もない。知識だ…

民主主義を揺るがす暴挙とは?

昨年の故安倍元首相襲撃事件に引き続き岸田首相の暗殺未遂事件が起きた。各種メディアはこれを民主主義を揺るがす暴挙だと、暴力を持って政治を変えようとしてはならないと口をそろえて言っていたがそれだけではいけないのではないか。 なぜこのように暴力に…

『構造と力』を読む 序に代えて

浅田彰の『構造と力』―記号論を越えて―を読みます。 カタカナ語が多いのがしんどいです。それと発音表記が現代と微妙に違っているのも仕方ないけどイライラします。 それでもパソコンがあるので知らない言葉を今流行のチャットAIに聞くことが出来るのは素晴…

新生活に向けて

居場所について考える。 4月になり環境が変わる人も多い。自分も学年が上がるだけとはいえそれでも十分な変化に感じる。さて自分の居場所に対する違和感がここのところ強まっていた。人、場所を問わず留まっていると見えてくるこの齟齬。つまり相互理解など…

自由を標榜する

当学で精神障害者に対する差別発言を行い、その上で「自由」を謳う大学だから問題ないと豪語した新入生がいるようだが非常に残念だ。思想は何を持っても構わないがそれを口に出すことに関して躊躇いを持たないのは恐ろしい。言葉を口にする時は誰かにそれが…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 読了

精神病と神経症の鑑別診断が実に様々な観点からアプローチされてきたのだということ。そしてそれは現代の精神医学の診断方法とは全く異なっている。ラカンの思想がエディプスコンプレックスから段々と離れていくことは聞いていたがその過程が読み直すことで…

シニフィアンをシニフィエで割る!?

「知」の欺瞞という本において批判されたラカンが行った割り算 S/s=s にS=-1を代入するとsが虚数になる これについてですが、常識的に考えてシニフィアン(S)をシニフィエ(s)で割ることは出来ないのである種のたとえ話であるのは理解してもらえると思う。…

チャットアプリを使ってみた! と なぜ文学部に来たのか?

チャットアプリを入れてみると「有名大学に入りたい」みたいなところがあったのでやってみた。 なんと自分の通っている大学がその少年の第一志望らしい(笑) 偶然にもほどがあるがこういうネットチャットの醍醐味だろう。少年は高校受験で失敗したのでその…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 3日目

昨日に引き続き読み進め50年代のラカンのところが終わった時点で「なるほどなるほど」と調子良く読んでいただけにそういえば対象aや享楽といった単語がまだそんなに出て来てなかったことにはっとさせられた。60,70年代がまだだった。エディプスコンプ…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 2日目?

はい。一日空いた気がしますがそれは思い過ごしです。エディプスコンプレックスの章の手前に来ました。相変わらず感想を書けと言われても困る内容。「現実界」の用語理解が深まったかも? てかこの本も多少は現代思想をかじってないとしんどいと思う。いきな…

『人はみな妄想する』著:松本卓也 を読み直す 1日目

『現代思想入門』(千葉雅也)でも新世代のラカン研究者として出てきた松本先生の本を読み直します。大学に入ってすぐこの本を買ったのですが、「構造主義って何だっけ?」「精神分析ってフロイト?」「ラカン?聞いたことはあるけど誰だろう?」といった具…

「個」の時代と自分探し その3

ボランティア活動をしても一人旅をしても、何気ない日常の中で「自分はこのままでいいのではないか?」なんて考えたとしてもそれが自分探しと呼ばれるとは限らない。自分探しはあくまでも「本当の自分」を見つけ出すことが重要視される。ここで前回述べた自…

「個」の時代と自分探し その2

自分探しの定義は前回の冒頭で述べたものでは考察しにくい上に不明瞭。よって改めて定義しなおしていく。 1:自分探しとは「本当の自分を見つける」ものと「自分の新しい能力の発見、その向上を目指す」ものに大別される 2:前者の自分探しの方法はボラン…

「個」の時代と自分探し その1

はじめに 自分探しの定義「それまでの自分の生き方、居場所を脱出して新しい自分の生き方、居場所を求めること(デジタル大辞泉)」「アイデンティティの確立や自己実現のための取り組みを意味する語…(実用日本語表現辞典)」weblioより 現代では以下のこと…

『現代思想入門』著者:千葉雅也

今日のバイトの空いた時間に読みました。4時間ほどで読み終えることが出来たので一日で手軽に読めます。大学生ならすらすらと進められると思う。ポスト構造主義と現代思想の源流とポストポスト構造主義について簡潔に書かれている。が、構造主義については…

獣の奏者 外伝 読後感想

本編とは打って変わって恋愛の話が多かったような気がします。だから外伝なのかもしれません。 読み終えた感じ児童小説らしくはないですね。 闘蛇の真ん中を過ぎてから完結するまでは一気に読み進めていったので胸がハラハラする場面がいくつかありました。 …

香水を買いに行ってみた!

香水ショップに行ってきた。入るなり香水の匂いが感じられた 長く居ると匂いが体につくので後に予定がある場合は注意がいる 初めは両わき腹の肌に付けてそこから肩や太ももの中間などに付け足すと良いそう 香水は紙に付けたときと肌に付けた時では匂いが異な…

獣の奏者 完結編 読後感想

すべての謎が解き明かされ、ジェシが教導師として生きていくことで物語が終わることの清々しい感覚に胸がいっぱいになる。エリンの悲願である王獣を開放したこと、知識を受けついでいったことこそがこの物語が本当に幕を閉じたのだと思わせる。 外伝編もある…

借りる

墓なんか不必要であるとの論が出てきたのはいつからか。この考えが生まれたときには人はもうこの上なく貧しくなってしまった。たとえば童謡や幼い頃から聞いてきた音楽は今はじめて聞くネット上にある音楽とはその質を異にしている。きっと前者の物には追憶…

獣の奏者 探求編 読後感想

イアルは闘蛇乗りにエリンは王獣部隊創設することに決まったけれどだれが王獣の秘密を解く旅に行くのだろう。王獣が強すぎて闘蛇と釣り合わないなと感じていたがそのことも作中で語られた。やはり暴れだすと手に負えなくなるのだろうか 次で完結 一体どうな…

獣の奏者 王獣編 読後感想

すぐに読み切ってしまった 一日かからず やっぱりダミヤが黒幕だった 2編始まってからずっと怪しかったからね 折り返しになります 小学生の頃は図書委員をやっていて獣の奏者が棚にあったことを覚えています 珍しい場所にあったから位置まで覚えてます でも…

獣の奏者 闘蛇編 読後感想

序盤読むのに時間がかかってしまったが後半はすらすらと進みました 三章二節の最後の描写が好きだった 琴を弾いて王獣とコミュニケーションを図るのだろう だってタイトルが奏者だし 当たっているだろうか? 楽しみ アニメを見た記憶はあるけど内容をまるき…